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2026年05月

仙腸関節障害って?

2026年5月13日  健康管理に役立つ話, 医療系雑学  ,

はりきゅうマッサージ師として長年多くの方と向き合ってきましたが、「ギックリ腰とか腰痛だと思って受診したら、実は仙腸関節(せんちょうかんせつ)が原因だった」というケースが非常に多くあります。

仙腸関節は小さく、動きも少ないためレントゲンやMRIでは異常が見つかりにくいため、見逃されがちです。

今回は、この「仙腸関節障害」について、日本仙腸関節研究会の知見などを参考に、わかりやすく解説します。

1. そもそも「仙腸関節」ってどこ?

私たちの体には、背骨の土台となる「仙骨(せんこつ)」と、骨盤の大きな骨である「腸骨(ちょうこつ)」をつなぐ関節があります。それが仙腸関節です。

この関節は、肩や膝のように大きくは動きません。

わずか数ミリほど動くことで、歩いたり座ったりする時の「衝撃を吸収するサスペンション」のような役割をしています。

2. 仙腸関節に問題があるとどんな症状が出るの?

仙腸関節がうまく働かなくなると、次のような症状が現れます。

• 片側の腰の痛み: お尻の骨のあたりがピンポイントで痛む。

• 足のしびれ・痛み: 太ももの裏や外側まで痛みが響く(坐骨神経痛に似ています)。

• 特定の動きで痛む:

 • 椅子から立ち上がる瞬間

 • 寝返りを打つ時

 • 長い時間歩いたり、ずっと座っている時

 • 痛い方を下にして寝られない(関節に圧力がかかると痛みが増す)

参考: 日本仙腸関節研究会では、仙腸関節の痛みの特徴として「鼠径部(足の付け根)の痛み」や「長い時間イスに座れない」といった症状も挙げられています。

3. なぜ痛くなるの?(原因)

原因を一言で言えば、「関節のわずかなズレや引っかかり」です。

本来、強力な靭帯で固定されている関節ですが、以下のようなきっかけでバランスが崩れます。

1. 日常生活のクセ: 足を組む、片足に重心をかけて立つ、いつも同じ側でカバンを持つなど。

2. 急激な負荷: 重いものを持った、段差を踏み外した、尻もちをついた。

3. 妊娠・出産: 出産の準備のためにホルモンの影響で靭帯がゆるみ、関節が不安定になります。

4. 自分でもできる!対策とセルフケア

「痛いから安静に」と思いがちですが、仙腸関節障害の場合は、むしろやさしく動かすことで関節を整えてあげることが回復への近道です。

① 仙腸関節ストレッチ

1. 仰向けに寝ます。

2. 片方の膝を両手で抱え、ゆっくりと胸の方へ引き寄せます。

3. 30秒ほどキープして、反対側も同じように行います。

これにより、骨盤周りの筋肉がほぐれ、関節の動きがスムーズになります。

② テニスボールを使ったマッサージ

お尻のえくぼのあたり(仙腸関節のすぐ外側)にテニスボール(自分のげんこつでもいいです)を当て、仰向けに寝てゆっくり自重をかけます。

※痛みが強くなる場合はすぐに中止してください。

③ 骨盤ベルトを活用する

手軽で効果的なのが、市販の骨盤ベルトです。腰のベルト(ウエストライン)ではなく、お尻のやや低い位置を締めると、グラついた関節が安定し、痛みがスッと引くことがあります。

「腰痛がなかなか治らない」「レントゲンでは異常なしと言われた」という方、それは「仙腸関節」に原因があるサインかもしれません。

もしセルフケアで改善しない場合は、専門家による「徒手療法(手を使って関節を整える)」が非常に有効です。ひとりで悩まず、まずは「仙腸関節が気になる」と、相談してみてくださいね