ブログBlog

2025年11月

血栓(けっせん)とは何か?

2025年11月28日  健康管理に役立つ話 

血栓(けっせん)とは何か?

血栓とは、「血管の中で血液が固まってできた塊(血の塊)」のことを指します。これは本来、ケガをして出血した際に、血を止めるための体の自然な防御反応(止血作用)として働きますが、血管の中で不必要に形成されると、深刻な病気を引き起こす原因となります。

1. 血栓ができるメカニズム

血栓は、主に以下の3つの要因が重なり合って形成されます。

1. 血管の壁の損傷(動脈硬化):

血管の内側の壁が、高血圧や高脂血症などによって傷ついたり、動脈硬化(プラーク)でデコボコになったりすると、その場所に血小板が集まり、血栓の形成が始まります。

2. 血液の流れが滞る(うっ滞):

心臓の病気(心房細動など)や、長時間同じ姿勢でいること(エコノミークラス症候群)などで血液の流れが極端に遅くなると、血液が凝固しやすくなります。

3. 血液が固まりやすい状態(凝固能亢進):

脱水状態や特定の病気により、血液中の凝固に関わる成分が増え、血液全体が固まりやすい状態になります。

2. なぜ血栓が問題なのか

血栓が厄介なのは、血管を物理的に塞いでしまうことです。血栓が形成された場所や、それが流れていって詰まった場所によって、以下のような重篤な病気を引き起こします。

特に、心臓の中にできた血栓が血流に乗って脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせるタイプの脳梗塞を心原性脳塞栓症と呼び、重症化しやすいことが知られています。

3. 血栓の予防 

血栓ができる主な原因は動脈硬化や高血圧です。血栓の形成を防ぐためには、血栓ができにくい体質と血管環境を整えることが大切です。

• 生活習慣の改善:

• 高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病をしっかり管理する。

• 適度な運動を行い、血流を良くする。

• 水分補給を心がけ、血液の粘度が高くなるのを防ぐ。

• 薬物療法:

• 医師の指示に基づき、血栓の形成を抑える薬(抗凝固薬、抗血小板薬など)を服用する。

脳梗塞と脳出血のちがい

2025年11月28日  健康管理に役立つ話 

脳梗塞と脳出血のちがい

脳梗塞と脳出血は、脳の血管にトラブルが起こる脳血管障害に分類される病気です。血管のトラブルが「詰まる」か「破れる」かによって、病態、進行の仕方、そして治療法が大きく異なります。

脳出血はさらに脳内出血とクモ膜下出血(脳動脈瘤の破裂)に分類されます

脳梗塞と脳出血は症状が似ているため、外見だけでは区別が難しく、迅速なCT/MRI検査が命運を分けます。どちらも早期発見・早期治療が極めて重要です。

入浴の効用

2025年11月26日  健康管理に役立つ話 

このところ、気温が下がってきて、体調管理のためにお風呂をうまく活用したい季節になりました

よく質問を受けるので、入浴の効用についてまとめておきます

シャワー浴でも身体は清潔にできますが、入浴(湯船に浸かる)にはそれ以外にもさまざまな健康効果をもたらす利点があります

その効用は主に以下の5つの作用によります

1. 温熱作用 (体を温める効果)

温かいお湯に浸かることで、身体が温まり血管が拡張します

• 血行促進・新陳代謝の活性化:血液のめぐりが良くなり、酸素や栄養が全身にいきわたり、老廃物や疲労物質の排出が促され、疲労回復やリフレッシュにつながります

• 副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます

• 入浴によって上がった体温が下がるタイミングで眠りにつくと、質の良い睡眠がとりやすくなります(就寝の1~2時間前の入浴がおすすめです)

• 痛みの緩和:身体が温まることで筋肉や関節の緊張が緩み、腰痛や肩こり、神経痛などの痛みが和らげられます

2. 静水圧作用 (水圧による効果)

湯船に浸かると、お湯の量や浴槽の深さにもよりますが、体全体に水圧がかかります

• むくみ解消:水圧により、重力の影響で足などに溜まった血液や体液が心臓へ押し戻され、むくみ解消に役立ちます

• 血行促進・新陳代謝の活性化:適度な水圧が血流を良くし、新陳代謝を活発にします。

• 心肺機能の向上:腹部にかかる水圧で横隔膜が押し上げられ、呼吸回数が増え、心肺機能が高まる効果も期待されます

3. 浮力作用 (重力からの解放)

お湯に浸かることで浮力が働きます

• リラックス:体重を支えている筋肉や関節の緊張が緩み、心身ともにリラックスできます

• 関節や筋肉の負担軽減:重力から解放されることで、腰痛など関節や筋肉への負担が軽減されます

4. 清浄作用 (体をきれいにする効果)

お湯に浸かって毛穴が開くことで、皮膚の表面の汚れや皮脂が流れ出やすくなります

• 肌の健康保持:体を清潔にし、肌の健康を保つ効果があります

5. 抵抗性作用

水の抵抗性を利用して、水中でのストレッチや運動を行うことで、手軽に筋肉に刺激を与え、生活習慣病の改善といった運動療法的効果も期待できます

 入浴後には水分補給と、体を冷やさないようにすることが大切です

また、皮膚が乾燥しないように保湿クリームやローションなどでケアすることもおすすめです

外反母趾について

2025年11月11日  健康管理に役立つ話 

腰痛などを訴えて来られる方の中にも、けっこうな割合で外反母趾の傾向がある人が見受けられます。

外反母趾があると、痛みで足の内側に体重をかけづらくなってしまうため、身体の外側に体重をかけすぎた結果、身体全体の重心やバランスが崩れ、さまざまな部位の歪みからくる腰痛などの痛みを引き起こしてしまうことがあります

足の親指の付け根が内側に突き出たようになり、親指が第二指の方へ曲がってしまい、痛みが生じるのが外反母趾ですが、主な原因は、外的なものとしては、つま先が細い靴やハイヒールなど親指を圧迫する履物の影響、内的なものとしては、足の筋力低下や筋肉の緊張、足裏の縦横のアーチの減少、他にも歩き方の癖や不良姿勢などがあると考えられます

これまでの経験からは、外反母趾の治療のカギになるのは、長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)という筋肉です。これはふくらはぎの深いところにある筋肉で、足首の内側を通って足の親指の先までつながっており、親指を足裏の方に曲げる働きがあります。

当院での経験上、外反母趾のある方はふくらはぎから足の内側の長母趾屈筋がある箇所を圧迫すると痛むことが多いです。痛むのは筋肉が緊張して固くなっているためと考えられますが、長母趾屈筋が固くなると、筋肉の作用と足の骨の形の影響で、親指の付け根を内側(体の中心方向)に、親指の先を外側に変形させてしまい、結果的に足の骨を外反母趾の形状にしてしまうのです

そこで、外反母趾に対する有効な治療法として、長母趾屈筋の緊張緩和が考えられます。長母趾屈筋はふくらはぎの筋肉ですが、さらに上位の股関節や腰の筋肉をほぐして血流を促すことで、老廃物や痛みの元になっている物質を効果的に排出させて痛みを取り除いた上で、足の変形に対してのアプローチをします。

どのような手法で行うかは症状の程度や状態などにもよりますが、当院では、マッサージ、ストレッチ、はり・きゅう、関節モビリゼーションなど、再現性の高いノウハウを用いた施術を行い、ご自身でできるセルフケアもお伝えしています

ただ、あまりにも症状が進んでしまった外反母趾は、外科的な治療を行うしか方法がなくなってしまう場合もありますので、できるだけ放置はせず、早めに対策をされたほうがよいと思います