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2025年11月

外反母趾について

2025年11月11日  未分類 

腰痛などを訴えて来られる方の中にも、けっこうな割合で外反母趾の傾向がある人が見受けられます。

外反母趾があると痛みで足の内側に体重をかけづらくなってしまうため、身体の外側に荷重しすぎた結果、身体全体の重心やバランスが崩れ、腰痛などさまざまな部位の歪みからくる痛みを引き起こしてしまいます

足の親指の付け根が内側に突き出て、親指が第二指の方へ曲がってしまい痛みが生じるのが外反母趾ですが、主な原因は、外的なものとしてはつま先が細い靴やハイヒールなど親指を圧迫する履物の影響、内的なものとしては足の筋力低下や筋肉の緊張、足裏の縦横のアーチの減少、他にも歩き方の癖や不良姿勢などがあると考えられます

これまでの経験からは、外反母趾の治療のカギになるのは、長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)という筋肉です。これはふくらはぎの深いところにある筋肉で、足の親指の先までつながっており親指を足裏の方に曲げる働きがあります。

当院での経験上、外反母趾のある方はふくらはぎから足の内側の長母趾屈筋がある箇所を圧迫すると痛むことが多いです。痛むのは筋肉が緊張して固くなっているためと考えられますが、長母趾屈筋が固くなると、筋肉の作用と足の骨の形の影響で、親指の付け根を内側(体の中心方向)に、親指の先を外側に変形させてしまい、結果的に足の骨を外反母趾の形状にしてしまうのです

そこで、外反母趾に対する有効な治療法として、長母趾屈筋の緊張緩和が考えられます。長母趾屈筋はふくらはぎの筋肉ですが、さらに上位の股関節や腰の筋肉の血流を促して老廃物や痛みの元になっている物質を効果的に排出させて痛みを取り除き、足の変形に対してアプローチします。

どのような手法で行うかは症状の程度や状態などにもよりますが、当院ではマッサージ、ストレッチ、はり・きゅう、関節モビリゼーションなどを用いた再現性の高いノウハウを確立していますし、ご自身でできるセルフケアもお伝えしています

ただ、あまりにも症状が進んでしまった外反母趾は外科的な治療を行うしか方法がなくなる場合もありますので、できるだけ放置はせず、早めに対策をされたほうがよいと思います