寒い時季に身体がガチガチに固くこり固まるのは、単なる気のせいではなく、私たちの身体が持っている「体温を逃がさないための防衛本能」が大きく関係しています
なぜ寒くなると筋肉が固くなるのか、また、なぜマッサージが冬の身体に効果的なのか、鍼灸マッサージ師が分かりやすく解説します
寒いと筋肉が固くなる3つの理由
理由① 血管が縮み、血流が「節約モード」になる
血液の温度は約37℃と温かいので、寒さを感じると、身体は体温を維持するために、皮膚に近い血管をギュッと収縮させます。これは体温が外に逃げないようにするための反応なのですが、同時に筋肉への血流も減ってしまいます。筋肉は血液から酸素や栄養を受け取っているため、血流が滞るとエネルギー不足になり、柔軟性を失って硬くなってしまいます。
理由② 無意識の「ふるえ」と「緊張」
気温が低いと、身体は熱を作るために筋肉を細かく動かそうとします(シバリング)。また、寒さで無意識に肩をすくめたり、体に力を入れたりする「身がまえる姿勢」が続くことや衣服の重さも、特定の筋肉を常に緊張させ、こり固まってしまう原因になります。
理由③ 関節の「潤滑油」が重くなる
機械のオイルが冷えると固まるように、関節をスムーズに動かすための「滑液(かつえき)」という液体も、気温の低下で粘り気が増すといわれています。その結果、関節周りの筋肉や組織の動きが鈍くなり、全身が重く硬く感じられるのです。
冬にマッサージが効果的な理由
寒い時季にマッサージを受けることは、単なるリラックス以上の「機能的なメリット」があります。
• 「血行を強制的に促進させる」
マッサージによる物理的な刺激は、収縮してしまった血管を広げ、滞っていた血流を劇的に改善します。新鮮な酸素ら栄養が筋肉に届くことで、溜まっていた老廃物(疲労物質や痛みの原因物質)が押し流され、筋肉が本来の柔らかさを取り戻します。
• 「自律神経のスイッチを切り替える」
冬は寒さというストレスで「交感神経(緊張モード)」が優位になりがちです。心地よいマッサージを受けることで「副交感神経(リラックスモード)」が優位になり、全身の力が抜けて深部から身体が温まりやすくなります。
• 「負のスパイラルを断ち切る」
寒い時季はどうしても「寒い → 動きたくない → 血流悪化 → さらに筋肉が固まる」という冬特有の悪循環になりがちですが、マッサージという外部からのアプローチでリセットすることができます。いちど筋肉がほぐれると、その後の日常生活でも身体が動かしやすくなり、代謝も上がりやすくなります。
マッサージを受けたあとのアドバイス
マッサージを受けたあとは、血行が良くなっているため、疲労物質をすばやく身体の外に追い出しましょう。そのために水分を多めに摂り、体を冷やさないようにゆっくり休むと、さらに効果が持続しますよ
